
糖尿病とはどんな病気か
糖尿病とは、代表的な生活習慣病といわれていますが、インスリンというホルモンの欠乏、または作用の不足によって、糖質(ブドウ糖)の代謝に異常が起こり、高血糖の状態が慢性的に続いている病気です。
高血糖の状態が長年続くと、大血管・細血管の合併症が目や腎臓、神経に起きてきて、さらに脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化に基づく重い病気を引き起こすことがあるこわい病気です。
糖尿病は、血糖値が高いこと以外は、自覚症状も乏しいことが多いので、気づかなかったり、放置してしまったりしがちです。しかし、一度かかってしまうとほとんど一生のつきあいになってしまいますし、先に述べたように恐ろしい合併症を引き起こすこともあるのです。
現在は医学の進歩で糖尿病の治療も進み、糖尿病患者さんの平均余命も伸びてきていますし、血糖のコントロールを十分に行えば、健康な人と同じように生活をすることも可能です。糖尿病にかかってしまった場合は、今までの生活習慣を見直し、改善していきましょう。 また、正しい糖尿病の知識を身に付けましょう。

なぜ起こるのか?
どうして糖尿病になるのでしょうか?これには環境因子から遺伝子異常までさまざまな原因があります。 ここでは主に成人してからかかることが多い2型(インスリン非依存)糖尿病について説明しましょう。
2型(インスリン非依存)糖尿病は、食べすぎなどによってエネルギーを過剰に摂取したり、運動不足、ストレスなどが大きな原因となっているといわれています。
食物から取り入れられた糖分(ブドウ糖)は、血液を介して全身に運ばれ、膵臓のランゲルハンス島という組織にある、β細胞から分泌されるインスリンの働きにより肝臓でグリコーゲンに変えられ、貯蔵されます。インスリンはグリコーゲンの合成、たんぱくの合成、脂質の合成などを促進し、分解を抑制するといった重要な役割を果たしています。
しかし、過食などによってインスリンの働きが悪くなったり、分泌量が不足してくると血中の糖分濃度が高くなり、さまざまな合併症を引き起こす原因となるのです。
■インスリンの働きとは ・・・インスリンはブドウ糖をカロリーとして細胞内に取り込むことために必要なホルモンです。 インスリンの分泌がないと、体の細胞がブドウ糖を利用できなくなり、血糖が著しく上昇してしまうのです。 血糖を下げるホルモンはインスリンだけですので、これが欠乏、減少してしまうと糖尿病が発症するのです。

無症状の怖い病気
糖尿病は初期のうちは自覚症状がなく、合併症が出るまでわからないことが少なくありません。検診などで尿に糖が出て精密検査をすすめられた場合はそのまま放置しないで必ず検査を受けましょう。
よくいわれる「だるい、疲れ易い」「のどが渇く」「尿の量や回数が多い」「食べても痩せる」「性欲減退」「勃起不全」といった糖尿病の自覚症状は他の原因でも見られる症状なので、定期的に検診を受けることが大切です。
また糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害の三大合併症をはじめさまざまな合併症を起こし、脳卒中や心筋梗塞など生命に関わる病気を起こしやすくなるこわい病気です。
最悪の場合は失明したり、死に至ることもあります。合併症は自分でも気づかないうちに進行し、自覚症状が出た段階ではかなり病状は悪化していて、日常生活に支障をきたすこともあります。
また、糖尿病にかかってしまうと、ほとんどの場合は一生のつきあいになってしまいます。食事療法や運動療法、薬物療法を行ったりとライフスタイルを改善して血糖のコントロールを保つことができれば不安を持たずに生活することは可能ですが、誰でもそのようなことを気にしなくてもいい健康体でありたいと願っているはずです。
もし、少しでも自分の体に不安がある人はすぐに検査を行いましょう。
肥満との関係
肥満は糖尿病の大きな原因です。糖尿病とは、インスリンの欠乏、あるいは不足によって慢性的に高血糖状態が続いている病気ですが、食べ過ぎることによって体内に脂肪がたまると、インスリンに対する感受性が弱り、インスリンが出ていても十分な効果があらわれません。 従って、余分なブドウ糖が血液中に残ってしまい、血糖値が上がってしまうのです。 それによってインスリンの分泌がさらに低下し、作用が弱まってしまいます。血糖のコントロールには、食事の摂取量とインスリンの働き具合が大きく影響しますので、食べ過ぎて太りすぎることがないようにバランスのとれた食生活を考えましょう。

1型、2型糖尿病について
~糖尿病のタイプには1型(インスリン依存)糖尿病と、2型(インスリン非依存)糖尿病があります~
★ 1型(インスリン依存)糖尿病
1型(インスリン依存)糖尿病は、幼児から15歳以下の小児期に急激に発症することが多く「若年型糖尿病」とも呼ばれていました。治療には、多くの場合、食事療法や運動療法のほかに、インスリンの注射が欠かせません。 膵臓のβ細胞が破壊された結果、インスリンを分泌することができなくなり、急激な高血糖となって発症します。
インスリンの分泌はほとんどなくなるため、からだの細胞がブドウ糖を利用できなくなり、血糖が著しく上昇して、治療が遅れると昏睡状態となり、そのまま放置すると命を落とすこともあります。
★ 2型(インスリン非依存)糖尿病
2型(インスリン依存)糖尿病は、治療に必ずしもインスリンを必要としないもので、糖尿病にかかっている日本人のほとんどはこのタイプです。このタイプは40歳以降に発症することが多いのですが、肥満児の増加とともに10代から発症する子どもにも増えています。2型(インスリン依存)糖尿病は、 インスリンの分泌量が低下しているか、インスリンの血糖を下げる作用が弱くなって発症するもので、遺伝素因のほかに、エネルギーの過剰摂取、運動不足、ストレスが大きくかかわっています。
治療には、食事療法と運動療法が基本ですが、経口血糖降下薬やインスリンが必要な場合もあります。
どんな検査をするのか
~まずは尿検査を受けましょう~
定期検診などでは多くの場合にスクリーニング検査として尿糖検査を行います。
血糖値が高くなると、ブドウ糖が尿中に出てきます。この尿糖の有無は食事の影響を受け、食後は最も糖が出やすく、空腹時では糖が出にくくなります。ですから、早期発見のためにも食後の尿糖検査を行うとよいでしょう。尿糖を調べる試験紙も市販されていますので、それを利用して検査してみてもよいでしょう。
一番確実なのは定期検診を受けることです。定期検診を受ける機会のない、主婦や自営業などの方も年に一度は各自検診を行っておきましょう。
※※ 糖尿病の検査 ※※
検査の結果、精密検査をすすめられた場合はめんどうだとは思わずに、必ず精密検査を受けましょう。
検査を怠ってもしばらくは日常生活に影響が出ませんので放置しがちですが、5年後、10年後に症状が現われ合併症になっていた、ということにもなりかねません。
■糖尿病の検査は下記のとおりです。
●血糖値
随時血糖
空腹時血糖
ブドウ糖負荷試験
●グリコヘモグロビン(HbA1c)
●血中インスリン・C-ペプチド
膵臓からのインスリンの分泌の程度をみるために行うことがある。
実際には、食事摂取前後の血中濃度の変化や
ブドウ糖負荷試験のときに血糖とあわせて測定。
(C-ペプチドは尿中の排泄量も測定することがある)
●合併症の検査
眼底
たんぱく尿(微量アルブミン尿、腎症の診断のため)
腎機能検査(血中の尿素窒素やクレアチニンを測定)
神経機能(簡便な方法として腱反射、振動覚など)
血清脂質(コレステロール、中性脂肪など)
心電図

